実験的食片圧入による歯周組織の変化について
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概要
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ラットに形態の異なる飼料を与え,実験的食片圧入を起こさせ,歯周組織におよぼす影響を経時的に病理組織学的面から検討した。さらに歯根膜の再生過程を顕微螢光法を用いて核DNA量を測定した。その結果,病理組織学からの検索において,粉末飼料群では,1日後から歯間乳頭部に再生上皮が認められ,1週から3週では炎症性変化はほとんど消退し,5週から7週を経過すると歯間乳頭部の線維と歯根膜の線維芽細胞はほぼ再生された。固型飼料群では,3日後まで歯間乳頭部に潰瘍の形成が継続して認められ,1週後から歯間乳頭部の上皮に再生像がみられ,5週を経過すると再生上皮下から歯根膜におよぶ炎症性細胞の浸潤は軽減した。核DNA量からの検索において,粉末飼料群では,1日後より歯根膜線維芽細胞の増殖活性がみられ,3週後まで高い値を示し,5週から7週にかけて低い値を示した。固型飼料群では,1日後から3日後にかけて低い値を示した。すなわち歯周組織の破壊は固型飼料群が粉末飼料群に比べ大きく,核DNA量の変化からみた歯根膜線維芽細胞の増殖活性は,初期では歯根膜中央部で活発で,経時的にセメント質側,歯槽骨側におよぶことが思惟された。
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
- 1984-06-28
著者
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