歯周炎患者における歯肉縁下プラーク形成に関する研究 : 走査型電子顕微鏡による観察
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概要
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縁上プラークとの関連をも含めて,縁下プラークの形成過程を形態的に観察するために,今回,歯周疾患罹患歯で深さ平均6.6mmの歯周ポケットを有する抜去予定歯8歯を用い,これらに象牙質薄片を張りつけた特殊な根面インレーを反復使用し,採取した1日から49日までの40試料について,主としてSEMで観察した。その結果,縁下プラークの最根尖側の位置は,明瞭な境界をもって象牙質面と判別できた。インレーの装着期間が長くなると,プラークは根尖方向へ徐々に侵入し,3週では最根尖側の位置は,縁下平均2.23mmであったが,その後7週まで変化はなかった。縁下プラークの形成過程という観点からみると,常にまず縁上プラークが形成され,ついで縁下プラークが形成されるという過程を辿った。すなわち縁下プラークのみが単独で形成された例は1例もなかった。
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
- 1983-06-28
著者
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