墨書土器研究の可能性
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概要
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はじめに 筆者は前稿で、日本古代の地域社会で出土する墨書土器の意味について、これまでの「墨書土器=祭祀」とする見方をいちど相対化し、墨書土器が具体的にどのような場面で使用されたかを、文字情報や出土状況をふまえて再検討する必要があることを述べた〔三上二〇〇二、二〇〇三〕。これまでの墨書土器研究に相当の成果を認めつつも〔平川二〇〇〇、高島二〇〇〇〕、これを克服していくことが、墨書土器研究のあらたな可能性を開くものと考えたのである。 以下では、前稿で指摘した点をふまえ、墨書土器が具体的にどのような場面で使用されるのか、とか、記された文字にはどのような意味があるのか、といった基本的な問題に立ち返って、古代社会の実態的研究にとって墨書土器研究が持つ可能性を考えてみたい。
- 山形大学の論文
- 2004-02-25
著者
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