「家」・「村」理論の射程をめぐる論点と課題
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概要
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はじめに(抄) 本稿の目的は,「家」・「村」理論の射程を明らかし,〈いま・現在〉の農家や農村を分析するための現代的有効性を考察することである。「家」・「村」理論は,日本の村落を研究する最も基礎的な分析枠組みとして,農村社会学や歴史学や民俗学の領域で用いられてきた( 1)。「家」・「村」理論の出発点は,ほかならぬ「家」である。本稿では,「家」の概念規定を明確にしながら( 2)、「家」・「村」理論の歴史的射程と「家」・「村」理論が妥当する地域的範域を考察し,もって「家」・「村」理論の現代的意義と限界を明らかにする。もとより,「家」・「村」の定義やその射程は,現実の分析に先立って前提されるものではなく,具体的な実証研究の成果をふまえて問題とされるべきものである。だが,実証研究に先立ち,「家」・「村」理論の射程をめぐる若干の論点と課題を整序して素描しておくことは意味を持とう。
- 山形大学の論文
- 2004-02-25
著者
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