ヘリコバクター・ピロリのVacA毒素の毒性発現
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ヘリコバクター・ピロリは熱帯地域に生活するヒトの約80%が20歳前にして感染し,その後も持続感染していることから衛生環境の改善が強く望まれている。しかし,本菌による感染症は熱帯地域にとどまらず,わが国を含む欧米諸国の先進国に於いても多数みられ,本菌の感染は世界人口の約半分,特に熱帯地を含む発展途上国においては8割の人々が感染して蔓延している。ヘリコバクター・ピロリは発見当初,慢性胃炎との関連が指摘されたが,胃癌の発症と高い疫学的関連性が報告され,1994年2月に米国国立衛生研究所は本菌の感染症が胃癌と関連することを公に認め,本菌の細菌学的・感染症学的研究を急務として「The role of Helicobacter in cancer」という緊急研究課題をとりあげている。今日では,ヘリコバクター・ピロリは胃炎,消化性潰瘍,MALTリンパ腫,胃癌などの消化器疾患発症の原因の一つである。これまで病原因子機能解析分野はヘリコバクター・ピロリ感染の毒素病態学的な研究を進め,本菌が産生する cytotoxin, VacAがヒト胃粘膜上の受容体型プロテインキナーゼ(RPTP)βを介して胃粘膜障害を引き起こすことを胃粘膜株化細胞((JBC,1999,2000))やRPTPβ KOマウスを用いて明らかにした(Nature Genetics 2003)。VacA結合に必須なRPTPβのドメイン構造も明らかにした(JBC, 2003)。RPTPαが直接胃粘膜障害を引き起こす分子ではないものの,初期の実験でこれら2種のRPTPがヘテロダイマーを作ることを見いだし,VacAの毒性発現に於けるRPTPαの役割に興味がもたれる。加えてVacAの標的細胞上でVacAと結合したRPTP分子がlipid raftに集積する事実も判ってきた。そこでVacAの毒性発現の詳細を受容体及び細胞死に至る情報伝達の仕組みに焦点を当てて明らかにする。
- 長崎大学の論文
著者
-
神谷 茂
杏林大学医学部感染症学講座
-
河野 茂
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科感染免疫学講座(第2内科)
-
平山 壽哉
長崎大学熱帯医学研究所病原因子機能解析分野
-
河野 茂
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科
-
野田 公俊
千葉大学大学院医学研究院
-
片方 陽太郎
弘前大学農学生命科学部
-
山崎 伸二
大阪府立大学大学院生命環境科学研究科
-
片方 陽太郎
弘大・農学生命科学
-
神谷 茂
杏林大学 医学部感染症学
-
神谷 茂
杏林大学医学部感染症微生物学
-
平山 壽哉
熱帯医学研究所
-
野田 公俊
千葉大学医学部微生物
-
山崎 伸二
大阪府立大学 大学院生命環境科学研究科感染症制御学講座
-
神谷 茂
杏林大学医学部
-
野田 公俊
千葉大・院・病原分子制御学
-
河野 茂
長崎大学大学院・医歯薬学総合研究科・感染免疫学講座(第二内科)
関連論文
- 無菌マウスを用いた肺炎マイコプラズマの病原性解析 (第36回日本マイコプラズマ学会学術集会)
- Helicobacter pylori 感染スナネズミの胃内細菌叢についての解析
- Helicobacter pylori 菌に対するアムール7の効果
- ヘリコバクター・ピロリのVacA毒素の毒性発現
- Clostridium difficile toxin A および toxin B 市販検出キットの評価
- 病因論からみたハンセン病HI-75^*検討結果の意義
- 重症急性呼吸器症候群(Severe Acute Respiratory Syndrome, SARS)の臨床と対策
- マイコプラズマ肺炎モデルの作成と発症メカニズムの解析
- Mycoplasma pneumoniae による宿主サイトカイン誘導能の肺炎発症における役割
- D-9 マイコプラズマ菌体抗原刺激下の培養細胞におけるマクロライド系抗菌薬のimmunomodulation(一般口演,第34回杏林医学会総会)
- C-10 肺炎マイコプラズマノートバイオートマウスへのクラリスロマイシンの効果(第13回杏林医学会総会)
- 無菌マウスを用いた肺炎マイコプラズマの病原性解析
- LactobacillusによるHelicobacter pylori 感染の制御
- 病因学からみたWHOによる現行国際的ハンセン病対策に残された疑問点と解決すべき病因、病変論について
- IIB-31 ハンセン病の組織化学(骨・歯・唾液腺その他,一般演題発表,第46回日本組織細胞化学会総会・学術集会)
- Helicobacter pylori 感染スナネズミの胃内フローラ解析
- Helicobacter pylori 感染スナネズミの胃内フローラ構成細菌の解析
- 新しい酵素基質培地のMRSAに対する感度・特異性
- Metronidazole と乾燥卵白を用いたラット抗菌薬関連下痢症モデルにおける Clostridium butyricum MIYAIRI 588 の有効性についての検討
- 急性および再発CDADハムスターモデルに対する Clostridium butyricum の有効性についての検討
- 血清含有 Helicobacter pylori 分離用培地の有用性
- 血清含有 Helicobacter pylori 分離用培地の有用性
- D-10 Helicobacter pyloriの運動性におけるクオラムセンシンクの役割解析(一般口演,第34回杏林医学会総会)
- C-19 西ケニアにおける小児急性呼吸器感染症起因菌とマラリア原虫保有率(一般口演,第29回杏林医学会総会)
- 気管支喘息への肺炎マイコプラズマ感染の影響
- Clostridium difficile 臨床分離株のゲノタイピング, 芽胞形成率および発芽率に関する研究
- 腸管感染症
- プロバイオティクス, プレバイオティクスおよびシンバイオティクス
- Ventures Clostridium butyricumのClostridium difficile感染に対する効果
- 無菌マウスを用いた腸管出血性大腸菌 eaeA 遺伝子の発症に係わる役割の解明
- C-2 腸管出血性大腸菌eaeA遺伝子の発症に係わる役割(一般口演)(第32回杏林医学会総会)
- 無菌および普通マウスへのMycoplasma pneumoniae 感染実験
- 無菌マウスへの Mycoplasma pneumoniae 感染実験
- 無菌マウスへのMycoplasma pneumoniae感染実験
- 細菌熱ショック蛋白HPS60経口免疫マウスにおける Helicobacter pylori感染防御効果と粘膜炎症
- Helicobacter pylori 感染症に対する Probioticsの有用性
- 腸管出血性大腸菌感染症モデルを用いた病態解析と能動および受動免疫の影響
- Enterohemorrhagic Escherichia coli O157 : H7の定着, 感染へのClostridium butyricumが与える影響
- Helicobacter pylori感染マウスの材料からの免疫磁気ビーズ法による菌の検出
- O157 : H7腸管出血性大腸菌感染モデルにおけるClostridium butyricumを用いた感染防御の検討
- Clostridium difficile腸炎モデルを用いたClostridium butyricumのprobioticとしての有用性
- RpoEを介した百日咳菌の細胞表層における応答
- マイコプラズマ感染モデルを用いたクラリスロマイシンの抗菌活性および免疫調整能についての検討
- マイコプラズマの病原因子 (新感染症学(下)新時代の基礎・臨床研究) -- (微生物の病原因子)
- マイコプラズマ肺炎の発症病理に関する基礎研究 (日本マイコプラズマ学会第33回学術集会) -- (シンポジウム マイコプラズマの感染メカニズム)
- こんにゃく芋粉抽出物の Helicobacter pylori に対する抗菌作用および胃粘膜定着阻害効果の検討
- ヘリコバクター・ピロリのクオラムセンシング
- Helicobacter pylori 熱ショック蛋白 HSP60 の経口投与による H. pylori 定着阻止効果と胃炎症惹起作用について
- D-6 ヘリコバクターピロリのスナネズミヘの感染とアポトーシスの誘導(一般口演,第31回杏林医学会総会)
- D-5 Helicobacter pylori熱ショック蛋白の経口ワクチンとしての有用性とその問題点(一般口演,第31回杏林医学会総会)
- 無菌マウスを用いた Mycoplasma pneumoniae 感染モデルの作成
- 糞便中Helicobacter pylori抗原検出キット(HpSA)の基礎的評価 : その特異性およびコッコイドフォームとの反応性
- 第20回日本細菌学会技術講習会テキスト Helicobacter pyloriの分離培養と病原因子の解説
- Helicobacter pyloriに及ぼすココアの効果
- カカオマスの腸管出血性大腸菌O157 : H7に対する抗菌効果の検討
- ケニア共和国ナイロビ市における小児急性呼吸器感染症の現状
- マウス感染モデルを用いたTY-50060, TY-50158のHelicobacter pyloriに対する除菌効果の検討
- Helicobacter pylori熱ショック蛋白HSP60を認識するモノクローナル抗体によるH. pyloriのヒト胃上皮細胞への付着抑制効果
- Helicobacter Pylori のヒト胃上皮細胞への付着性状における熱ショック蛋白HSP60の役割
- 免疫磁気ビーズ法を用いた糞便材料からの Helicobacter Pylori の検出方法に関する検討
- Helicobacter pyhloriのcoccoid formationについて
- 細菌熱ショック蛋白質HSP60投与マウスにおいて誘導される大腸炎について
- Clostridium butyricum MIYAIRIのHelicobacter pylori付着性, 定着性に及ぼす影響
- 細菌 クロストリジウム・ディフィシル (医療・福祉施設における感染制御と臨床検査) -- (微生物別の種類別にみた施設内感染制御)
- 血管病変とHI75の神経侵入
- らい菌人工培養のための研究現況報告
- スナネズミにおける Helicobacter pylori 母子感染に関する研究
- スナネズミにおける Helicobacter pylori 母子感染に関する研究
- Helicobacter pylori におけるクオラムセンシングの役割
- Helicobacter pylori の細菌学的性状
- Clostridium difficile 感染と腸内フローラ
- 産婦人科とプロバイオティクス (特集 産婦人科感染症診療マニュアル)
- メチニコフ賞受賞の選考過程と光岡知足先生の御業績
- はじめに
- Helicobacter pylori 感染症とプロバイオティクス
- 感染症発症のメカニズム 概論 (新感染症学(上)新時代の基礎・臨床研究) -- (感染症発症のメカニズム)
- プレデター細菌
- Helicobacter pylori の病原性
- はじめに
- 細菌学各論(2)
- 細菌学各論(1)
- はじめに
- ヘリコバクター・ピロリ感染と妊娠
- 細菌性腸管感染症とクオラムセンシング
- はじめに
- 細菌の「言語」-クオラムセンシング
- Helicobacter pylori感染の動物モデル
- C-20 転写にDnaKシャペロンを必要とするListeria monocytogenesの遺伝子について(一般口演,第29回杏林医学会総会)
- Helicobacter pylori 感染症に対するプロバイオティクスの効果
- ケニア国の小児におけるマイコプラズマ肺炎のPCR診断 (第37回日本マイコプラズマ学会学術集会)
- Helicobacter pylori 熱ショック蛋白(HSP60)と胃上皮細胞への付着性との関連性
- ケニア国の小児におけるマイコプラズマ肺炎のPCR診断
- 市中肺炎におけるマイコプラズマIC法の臨床的意義 : 市中肺炎診断時においてIC法の結果が治療経過に及ぼす影響について
- Mycoplasma pneumoniae 抗原刺激によるIL-8産生へのEGFRシグナル伝達経路の関与
- マイコプラズマ肺炎におけるロイコトリエン受容体とTGFの発現について : CAMの免疫学的効果の関与
- マクロライド耐性菌で作成したマイコプラズマ肺炎モデルにおける抗マイコプラズマ薬の効果
- マイコプラズマ肺炎の発症病理に関する基礎研究
- マイコプラズマ感染と胃粘膜病変
- Metronidazole および乾燥卵白を用いたラット抗菌薬関連下痢症モデルにおける Clostridium butyricum の有効性についての検討
- マイコプラズマ感染と胃粘膜病変