ドロバチの習性
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概要
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サイジョウハムシドロバチは巣の構造に関して岩田(1938a)の若干の報告があるにすぎない。今回我々は,新たに次のような知見が得られた。・1つの巣の育房数は4または5室が多く,最高で9室であった。・巣内に産卵される卵の性配列には規則性があり,♀型,♀♂型そして♂型が観察された。初めに♀が産卵され次に♂が産卵されるので,♀型,♀♂型そして♂型の巣がみられるものと思われる。・♀の育房と♂の育房の大きさには有意な差(P<0.001)があり,母バチは雌雄の違いよって育房の大きさを調整するか,または育房の大きさによって雌雄を産み分けをしているようだ。・コロニーで異なるが,成虫の活動時期は4月下旬から5月下旬(千葉市近郊)である。オオカバフスジドロバチについては岩田(1938b)の報告に加え,新たに次のことがわかった。・エントツをおとし巣口を封じると,外被を塗りつけることがあるが,その形は変化に富み貝殻状のひさしを設ける場合や,エントツに沿って数枚の仕切を重ねる場合がある。・1年に2度発生する2化性のハチである。1世代目の成虫は6月〜7月にかけて,2世代目の成虫は7月下旬〜10月下旬にかけて活動がみられた。2世代が同居する時期(7月下旬)もある。オオフタオビドロバチ,カバフスジドロバチ共に,7月に営巣した巣から次世代の羽化が観察され,すくなくとも2化性であることがわかった。
- 1988-02-26
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