巣箱入口におけるミツバチの清掃行動 I
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概要
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ミツバチは巣箱内部ばかりでなく,その入口周辺も常にきれいにしておく習性がある。仲間の死体による病菌の発生及び異物や敵の侵入等に備えているものらしい。本研究はそのような清掃行動解発の諸因を明らかにすることを目的としている。1.新鮮な死体とその頭部,胸部および腹部を様ざまに組合せて,巣箱入口に提示すると,働きバチは頭部や腹部よりも,完全な死体および胸部をはるかに多く運び出す。腹部に人工的に肢を付着すると,付着しない腹部よりも多く運ぶ。運搬に当って付属肢が手がかりになっているらしい。実際働きバチは肢,翅,触角の回数順にくわえたり,後肢にひっかけたりして運搬するのが観察された。2.働きバチが死体に近づくに当っては,その肢の匂に依存しているという示唆が得られた。3.清掃行動が及ぶ範囲は,入口中心から半径ほぼ60糎の半円内にある。そのような行動圏形成に当って,およぼす隣接巣箱の働きバチの影響ならびに巣箱周辺の環境条件が討議された。4.マークを付することにより,清掃行動は主として入口の門番バチによって行われること.が推定された。
- 千葉大学の論文
著者
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鈴木 健二
千葉大・教育・生物
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鈴木 健二
千葉大.教育.生物
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鈴木 健二
Biological Department, Faculty of Education, Chiba University
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吉浜 利洋
Kasai Middle School
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重松 義明
Chishirodai Nishi Middle School
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