授業過程の心理学的分析 IV
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概要
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研究の目的は,教職歴の違いにより,教師および児童の発言にいかなる違いがみられるかを明らかにすることである。小学校4年生1組,2組,3組および4組(各組の児童数40名)の児童を対照に「計算と式」の4時間扱いの第3時間目の授業を同一指導案でおこなった。授業担当者は1組と3組はそれぞれの学級担任であり,2組と4組は,それぞれの組で3週間の実習をおこなった学部4年次の教生である。結果は次のとおりである。1.授業開始1分間の発言から,教師の授業は教室外での授業に対する配慮や前時までの復習をしながら本時への導入が行なわれたことが示された。他方,教生のそれはいきなり本時の導入(問題提示)がなされた。2.教師あるいは教生と児童の発言時間の分析から,教師の授業では教師の発言が多い時期と児童のそれが多い時期がいくつかあり,授業に起伏がみられ力動的である。また,全体としては,教師の発言が児童のそれより多く,教師が主導権を持っていると考えられた。教生のそれは起伏が少なく平坦であった。3.教師あるいは教生の発言カテゴリー分析から,教師のそれは運営,確認,指名等が目立ち,教生においては私語,不明,指示,確認的質問に関するものが多かった。4.それぞれの児童の発言カテゴリーの分析から,教師の授業におけるそれと教生の場合の対照的なものをあげると,教師のそれは解答で,教生のそれは受容であった。以上のことは経験的に知られていることとかなり一致すると考えられた。
- 千葉大学の論文
- 1973-08-31
著者
-
柴田 淳一
千葉大学付属小学校
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竹内 哲也
千葉大学付属小学校
-
竹内 哲也
千葉大学教育学部付属小学校
-
斎藤 靖之
千葉大学教育学部付属小学校
-
西村 正司
千葉大学教育学部付属小学校
-
柴田 淳一
千葉大学教育学部付属小学校
-
斎藤 靖之
千葉大学付属小学校
-
松田 伯彦
高知医科大学
-
西村 正司
千葉大付小
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