沖国大ヘリコプター墜落事件に係る土壌および水質汚染調査
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概要
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1)土壌の有害物質調査米軍ヘリが墜落炎上した地点周辺にて土壌及び土壌ガスを採取した(墜落地点周辺12地点、バックグラウンド地点として1地点)。土壌の分析は土壌汚染対策法によって定められた有害物質15項目及び油分(油分、油臭、油膜)、土壌ガスの分析は土壌汚染対策法によって定められた有害物質11項目について行った。調査の結果、土壌についてはフッ素の溶出量が土壌汚染対策法に係る基準値を超過したポイントが2地点確認された。土壌ガスについてはベンゼンが検出された地点が3地点確認された。また、米軍が墜落機体搬出時に持ち去った土壌については鉛とフッ素が土壌汚染対策法に定める基準値を超える値を示した。基準値を超えた、フッ素については消化剤、ベンゼンについては燃料油が起源だと考えられる。フッ素及びベンゼンが検出された地点はヘリ墜落地点の直下である。2)土壌の放射性物質調査米軍ヘリが墜落炎上した地点を中心に9地点(土壌及び建物壁面のスス)、及びバックグラウンド1地点(土壌)にて試料を採取・測定を行った。また、米軍が墜落機体搬出時に持ち去った土壌についても測定を行った。調査は土壌中の^<238>TJ、^<232>Thの量を確認するためにγ線測定、劣化ウラン混入の有無を確認するために質量分析装置による^<235>U/^<238>U(ウラン比)の測定、β線の総量を把握するための全β線測定を行った。全ての調査項目について、墜落炎上した地点付近の9地点、及びバックグラウンド地点の結果を比較して特に異常値は確認されなかった。また、米軍が墜落機体搬出時に持ち去った土壌についても特に異常は認められなかった。3)井戸水の調査結果土壌汚染対策法施行規則地下水基準で定める全ての項目について基準値以下であり、特に異常値は認められなかった。また、放射性物質についても特に異常値は認められなかった。