心Fabry病に伴う僧帽弁閉鎖不全に対し僧帽弁形成術を施行した1例
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概要
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症例は60歳,男性.1999年9月急性心筋梗塞と診断され,以後外来通院していた.2002年2月NYHA II度.2003年5月NYHA III度の心不全で入院した.2003年9月,10月にも同様の心不全で入退院をくり返していた.経過とともに心臓超音波検査にて拡張型心筋症様形態変化,僧帽弁閉鎖不全の悪化を認めた.弁輪拡大による僧帽弁逆流に対し僧帽弁形成術を施行した.手術時に心筋症を疑い心筋生検を施行,病理所見より心Fabry病と診断された.術後一時的に心不全の改善が得られたが,約4カ月後より再び心不全の悪化をきたし1年後に死亡した.Fabry病はα-galactosidase活性の欠損により生じる先天代謝異常であり,心肥大を主症状とする亜型である心Fabry病が比較的多く存在することが明らかになり近年注目されるようになった.心Fabry病は日常診療で目にしている左室肥大や弁膜症患者のなかにも存在する可能性があり,このような疾患も念頭におき診療にあたることが重要と思われた.
- 特定非営利活動法人日本心臓血管外科学会の論文
- 2006-03-15
著者
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