荒川水系高麗川上流部における水生昆虫相に与える渓畔植生の影響の解析 : Cumminsの機能群分類法を用いて
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概要
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1)水生昆虫相と渓畔植生との関係をみるために,荒川水系高麗川上流において,1992年2月から10月まで調査をおこなった.2)河川上の林冠被植率が高い所と低い所で定性的な採集をおこない,各調査地間の機能群の構成を比較した.林冠被植率は渓畔植生の多少として環境要因とした.3)属数で見ると,剥離食者は渓畔植生の少ないほうで割合が高く,破砕食者は渓畔植生の多いほうで割合が高い傾向を見せた.また,採集食者と捕食者はどの調査地でもほぼ一定の割合を占め,植生の多少との関係は見られなかった.4)渓畔植生の多少が特に剥離食者の属数に作用することから,渓畔植生は光条件を変化させることにより河川生態系に影響を与えると考えられた.5)河川の水生昆虫群集は,水中の要因だけでなく陸上の生態系とも併せて考えるべきであると思われた.
- 千葉大学の論文
- 1994-03-25
著者
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