街路樹の土壤水分消費機構について : II 街路樹の土壤水分吸収圏
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
街路樹の水分吸収圏を中心とした土壤水分消費機構を調査した結果,次の諸点を明らかにすることができた.1.夏期の干ばつ時の普通条件下での街路樹の土壤水分吸収範囲は,樹冠半径の1.5〜2.0倍である.2.裸地化した状態では(A),街路樹の土壤水分吸収範囲は,樹冠半径の4倍にも及ぶ.3.マス内,及びその周辺の土壤では,土壤水分の毛管移動がスムーズに行なわれていないので,S. M. E. P.は「表層消費型」となる.4.上述の街路樹の水分吸収圏内の地盤構成は,植生と施工の両面よりの配慮が必要である.いままでの調査により,街路樹の水分消費機構,土壤水分吸収圏について一応の成果をえたが,その内容も関東ローム台地上の幹線道路の乱された現地土層についての結果にとどまり,これをかんがい実施面に適用するにはまだ幾多の未解決の問題が残されている.すなわち適用樹種,土層条件,地下水関係等に関し,より広い,また精細な調査を今後に期待しなければならない.本研究に関しては,前回に引続き,松戸市公園課,建設課の方々より多大の御協力を受けた.ここに深い感謝の意を表する.
- 1975-11-25
著者
-
河野 英一
造園工学研究室:東京大学農業工学研究室
-
関口 有方
造園工学研究室
-
中山 敬一郎
造園工学研究室
-
竹中 肇
造園工学研究室
-
岩崎 代志治
造園工学研究室
-
岩崎 代志治
造園工学研究室:東京大学農業工学研究室
-
竹中 肇
造園工学研究室:東京大学農業工学研究室