地方都市の自然環境保全計画に関する研究
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概要
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1.自然環境保全の問題は,自然地域ばかりでなく,広く生活環境の快適性の維持の上から全国的に検討されなければならない.2.自然環境保全の面からはとりあげられることがまれであった農山村地域を周辺にもつ地方都市における環境保全を土地利用計画で提示するための計画手法の策定を検討した.3.近年地方都市は市街地への人口集中によるスプロール化,農山村地域での過疎化などの影響で長い人間生活の歴史のなかではぐくんできた郷土景観がくずれはじめ,地域社会の環境の劣悪化が進行しつつある.4.計画手法策定には,このような地方都市の典型的な性格をもつ,三重県熊野市を対象にメッシュ・アナリシスを採用して計画を展開した.5.環境保全の土地利用計画は,土地の性質に最もそくした形で保全の提案を行うものであり,自然環境を全環境的立場からとらえるようにした.6.メッシュ・アナリシスにより土地の性質を自然条件,人文条件,社会条件を通して解析し,各要因のなかから有意な基準を設けて土地の類型化のプログラムを作成し,4類8種の土地利用区分を行った.7.すなわち,I類(1)保全林地域,(2)林業地域,II類(3)農耕地域,(4)傾斜地農耕地域,III類(5)都市・集落地域,(6)市街地開発地域,IV類(7)水辺緑地地域,(8)海岸地域である.8.土地利用区分はメッシュの解消をはかり,土地利用計画図を完成させた.
- 千葉大学の論文
- 1975-03-15