コケイランの受粉に関する知見
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概要
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1997年の5-6月に島根県内の落葉樹林において,コケイランの受粉に関する予備的な調査を実施した。コケイランの花は,ずい柱基部の窪みに分泌される花蜜と可動性に富む唇弁という2点によって特徴づけられる。調査期間中,合計8種の訪花昆虫を記録した。送粉は,短吻性のアブ・ハチ類,特に小型のハナアブ類によって行なわれた。なかでも,ホシツヤヒラタアブは主要なポリネーターで,本種は1時間あたり平均1.9回の頻度でラン群落に飛来した。花粉塊は必ずポリネーターの胸部背面に付着していた。落花後まもない時期の着果率(送粉された花の割合)は,花茎あたり平均32.2%に達したが,最終的な着果率は,子房に寄生するランモグリバエの加害によって上記の値よりも低下すると推測された。
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