ラン科Paphiopedilum属の稀少な5種の核形態学的研究

概要

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ラン科paphiopedilum属の稀少な5種の核形態学的研究を行い,新たにP. sanderianum 2n=26, P. kolopakingii 2n=26, P. tigrinum 2n=26, P. sangii 2n=28, P. shoseri 2n=35の染色体数を算定した。静止期染色体の形態はすべて複雑染色中央粒型であった。P. sanderianumは小型の次中部型染色体を1対もち,近縁なP. stoneiの核型とは異なった。P. kolopakingiiは小狭窄を有する大型染色体を1対もち,近縁なP. stoneiの核型とは異なった。P. tigrinumの核型は近縁なP. henryanumの核型に極めて類似した。P. sangiiは腕比が高く付随体染色体を有しないことで近縁なP. hookeraeの核型と異なった。P. shoseriは異質な染色体構成を示し, P. javanicum (2n=38)とP. tonsum (2n=32)との雑種であるか,または近くに分布する未記載種との雑種であると推察される。
国立科学博物館の論文
1997-12-25