粥状動脈硬化性内頸動脈病変の長期予後 : 北里大学病院入院患者の検討
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概要
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1986年4月から1999年6月までの13年2か月間に内頸動脈領域の脳梗塞,TIAと診断された141例(平均66.3±11.1歳)の長期予後をretrospectiveに検討した。内頸動脈病変の頻度は血栓症: 塞栓症=約1:1.10,画像診断で内頸動脈病変が確認された症例は70.9%で,狭窄42例,閉塞58例であった。特に,狭窄例は閉塞例に比べ両側性病変が多かった。退院時予後は臨床病型別では塞栓症より血栓症が,病変程度別では閉塞症より狭窄症が良好であった。狭窄症の多くは内科的治療を受けていた。長期予後は症候性高度狭窄例で再発率が20%,狭窄症,閉塞症ともに退院後より早期死亡例もあるが,ADLからみると良好例が多く,現在の内科的治療で予後改善が望めると考えられた。外科的治療としての頸動脈血栓内膜剥離術やステントによる血管形成術施行の適応については,内科的治療の長期予後と比較検討する必要が考えられた。
- 北里大学の論文
- 2001-08-31
著者
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