東大和病院におけるChlamydia trachomatis感染症に関する臨床的検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1998年4月から1999年10月までの間に,233例(15〜62歳;平均27.4歳)に対して子宮頸部からのChlamydia trachomatis (以下,Ct)抗原検索および血清抗Ct-IgG, IgA抗体測定を行った結果を検討した。Ct抗原検査の結果が陽性となった症例は27例(11.6%)で,年代別陽性率は10代が27.3% (6/22)と最大で,20代,30代,40代は,それぞれ12.6% (18/143),1.9% (1/52),12.5% (2/16)であった。来院の理由別にみると,Ct感染症は性感染症を心配して来院した13.6%(3/22),帯下異常の13.6%(6/44),下腹部痛の12.8%(17/133)に認められた。Ct抗原陽性もしくはCt-IgA抗体陽性の症例数は,いずれの年代,来院の理由別に見てもCt抗原単独陽性例と比較し,約2倍以上を示した。女性においては,Ct感染の卵管,骨盤腔,腹腔内への波及と,その後遺症を考慮し,Ct感染の活動性の指標とされるCt-IgA抗体検査を診断の補助的手段に加えることの有用性が示唆された。
- 北里大学の論文
- 2000-02-29