ヒト悪性中皮腫患者腹水中の28kD蛋白を認識する単クローン抗体の作製
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概要
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我々は既に,1981年に中居らがヒト胎盤中より見出した新しい蛋白が,妊婦血清中に高濃度に存在するのみならず,産婦人科諸種疾患では,特に卵巣癌をはじめとする悪性腫瘍全般で,血中に高濃度に含有される事を報告した。これまで本蛋白の精製純化を進めるとともに生化学的,免疫学的手法を用いた特性解析の基礎的実験と同時に,臨床的に産婦人科領域諸種病態における血中濃度の測定を行った知見から,今後の臨床応用性が強く期待出来る事が判った。本蛋白の精製,その特性解析,更に今後の臨床応用にむけて均一の抗体を安定して得るために単クローン抗体の作製に着手した。本研究では子宮体癌(悪性中皮腫)患者の腹水より本蛋白を高度に精製し,マウスを免疫した後,ポリエチレングリコールを用いて細胞融合を行い,一種類のマウス単クローン抗体を得た。更に単クローン抗体を用いた吸着クロマトグラフィーの応用による抗原の精製純化の実現にむけて,今後の研究の展開に大きな可能性を開いた。
- 北里大学の論文
- 1993-10-31
著者
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