検尿と血液検査を同時に実施した事例における尿糖・血糖値およびグリコヘモグロビン値に関する研究
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概要
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(1)尿糖と血糖・グリコヘモグロビンの平均値の間には,有意な相関が認められた。ただし,個々の例でみると同じ尿糖値を示しても,血糖値・グリコヘモグロビン値にはかなりの幅のあることが判明した。血糖値448mg/dlでも尿糖陰性の例があり,また血糖値200mg/dl以上の9.5%で尿糖陰性であった。(2)尿糖陽性例のうち,血糖値のみでみると20.5%,血糖値とグリコヘモグロビン値でみると17.3%が査定上,腎性糖尿と判断された。また,尿糖値が増大するにしたがって,腎性糖尿と判断される事例の占率は低下する傾向が認められた。(3)糖尿病と判明していた事例のうち,尿糖正常が53.3%,尿糖と血糖値正常が23.3%,尿糖・血糖値・グリコヘモグロビン値すべて正常が11.9%存在していた。以上の所見より,尿糖および血液検査を同時に実施しても,糖尿病の事例がかなりの割合で,無条件ないし限界体として混入してくる可能性が示唆された。
- 日本保険医学会の論文
- 1997-12-15
著者
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