職場健康診断時における喫煙調査 : 心身医学的観点より
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概要
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前回の調査では,喫煙の若年化および重度化が示唆されたが,今回はこのような重度喫煙者が,喫煙を維持している要因を探るために,質問紙に心理的ストレス度を示すとされる,CORNELL MEDICAL INDEXのL尺度(CMIL)を追加して,調査を行った。職種別に分析すると,喫煙率,積算喫煙指数,CMIL得点が高い者の割合が,所長職において最も高率であった。社会心理的ストレスに強くさらされた,重度喫煙者集団という実態が,明らかになった。また,タバコ依存度が高く,喫煙開始年齢の低い者ほど,CMIL得点が高くなっている。若年開始喫煙者ほど,ストレスフルな重度喫煙者になることが予測された。対象者の職種によってストレス度,喫煙状態が大きく異なっており,喫煙指導にあたっては,職種に応じた,あるいは,個々人の喫煙に至った背景にまで踏み込んだ分析,助言が望まれる。若年者に重点を置けば,より効果的であろう。
- 1994-12-15