台湾と日本九州における死亡構造の国際比較研究(第三報)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
地理医学の研究に際し,県市別死亡構造の分析を実施して地理的分布と疾患相互の関連の程度を明らかにするなどについて解析した。結果として考察すると,格差のあることが認められる。1)脳血管疾患は男子では東高西低の分布を示し,女子は台湾西部の台中県・屏東県が高率である。2)悪性新生物は男子の東高西低という分布を示す。胃癌は男子で宜蘭,基隆,台東が高率である。中部が低率である。3)心疾患は男子では台湾北部が低率であり,女子は南高北低の分布を示す。4)肝硬変及び全結核は男女とも南高北低である。5)高血圧性疾患は男子で東部と南部が高率で,女子は南高北低の分布を示す。6)糖尿病は男女とも高雄市,台南市への分布が高い。1%の危険率で県市別間で有意に相関を示すのは,総訂正死亡率と脳血管疾患(γ=+0.623),総訂正死亡率と全結核(γ=+0.764),高血圧性疾患と脳血管疾患(γ=+0.605)である。
- 1993-12-15