肝・胆・膵外科,最近の進歩
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概要
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最近20〜30年の間に,肝・胆・膵疾患の診断は急速に進歩し,それに伴ってとくにこれら臓器の癌に対する手術症例が増加してきた。かつては,腹部腫瘤とか黄疸といった症状で発見されるものが多く,切除しうるものはほとんどなかったが,最近では手術技術・患者管理の進歩と相まって,手術の安全性が高まり,切除例も増加し,それなりの成果が得られるようになってきた。しかし,肝癌では併存肝疾患の存在のため,なお切除不能のものも多く,また胆管癌や膵管癌では小さなものでも,すでに周囲組織への癌浸潤や転移のため切除不能,あるいは根治手術不可能のものが多く,また切除しえても手術後の成績も満足したものとはいえない。この領域の癌では,早期に症状が出現しないので,今日,やっと切除・根治例がみられるようになってきたとはいえ,さらにスクリーニング法を含め,早期発見の必要性が感じられる。
- 日本保険医学会の論文
- 1992-12-15
著者
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