ウメノキゴケ科の新属 オオチヂレマツゲゴケ属
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概要
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日本でもよく知られているオオチヂレマツゲゴケ(Rimeliella subtinctoria)の仲間は,従来,ウメノキゴケ属(Parmotrema)の一つのシリーズとして扱われ,表面に顕著な白斑があり,裂片にシリアをつけ,裏面が広く淡褐色または褐色であることが特色とされてきた。これらの特色のほかに,仮根に2型があって,短い方の仮根には,地衣体を基物に固着する機能は認められず, Hannemann (1973)のいうrhizinomorphに相当するものと認められ,長い方の仮根は基物に固着するものがあって,ウメノキゴケ属の他の種の仮根と同じような機能をもつものと認められる。また,長い方の仮根は地衣体中央部近くで集団を作っていて,その状態はイワタケ属やカワイワタケ属の臍状体を思わせるものがある。この点では,オオチヂレマツゲゴケの仲間は, rhizinomorphと臍状体をあわせ持つアフリカ産のXanthomaculina hottentottaに近縁のものと考えられる。また,短い方の仮根が裂片の先端近くまで密生している点や,網目状になることはないが,表面に顕著な白斑がある点は,マツゲゴケ属(Rimelia)にもよく似ている。こうした点を考慮して新属オオチヂレマツゲゴケ属(Rimeliella)を提唱し,必要な新組み合わせを作った。
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