慢性期脳血管障害の病態に関する研究 : 睡眠中の局所脳血流の測定
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概要
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慢性期脳血管障害の病態の進行に睡眠中の脳血流の変化が関与するか否かを検討する目的で,慢性期脳血管障害患者7例および健常成人3例を対象とし,Single Photon Emission Computed Tomography (SPECT)法を用いて,睡眠中と覚醒中の局所脳血流を測定した。Sleep stage II〜IIIでの脳血流は,慢性期脳血管障害患者群では14.2±5.2%,健常成人では4.9±3.6%減少した。平均動脈血圧はそれぞれ17.8±7.6mmHg, 8.0±7.3mmHg低下した。脳血管障害患者群では,睡眠中の脳血流の減少および血圧の低下とも,健常成人に比して大きく,脳循環のautoregulationの消失の関与が考えられた。脳血管障害の再発及び,血管性痴呆の進行を予防するにあたり,血圧管理を行う際には睡眠中の脳血流の変化も考慮にいれ,慎重に行う必要のあることが示唆された。
- 北里大学の論文
- 1992-02-29
著者
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