実験的糖尿ラット角膜における創傷治癒について
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概要
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ストレプトゾトシン投与糖尿ラット角膜上皮中央部を直径1mmの円形に剥離し,その修復過程を組織学的に検討した。処置後1日目の再生上皮は遊離リボソームやトノフィラメント量の少ない明るい細胞であったが,2日目までに上皮は急速に肥厚した。この時,上皮一帯に多量のグリコーゲン顆粒が認められ,一部は角膜実質へ排除されていた。処理後4日目までにBowman膜が著しく波状を呈するようになった。処理後6日目までに角膜再生上皮は到る所で壊死を起こし,非薄化した。これらの所見は,臨床的にみられるヒト糖尿病患者の角膜上皮の易障害性を示唆する証拠の1つであるのかもしれない。
- 北里大学の論文
- 1987-06-30