血液透析療法における慢性腎不全患者血清中グアニジノ化合物の動態に関する研究
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概要
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昭和57年11月より昭和60年1月までの間に血液透析治療に導入された慢性腎不全患者25例につき,第1回目の血液透析治療の前後における血清中グアニジノ化合物濃度を,新たに開発した一斉分離定量装置を用いて測定した。また,保存治療期の患者についても血清中グアニジノ化合物の長期モニタリングを行い,さらに維持透析に導入後の血清中グアニジノ化合物の測定をも行った。グアニジノ化合物の除去率は臨床症状の改善度と関連していることが認められた。また,グアニジノコハク酸およびメチルグアニジンは,血液透析治療導入直前には著しく増加していることが認められた。さらに,対象とした慢性糸球体腎炎,糖尿病,アミロイドーシス,全身性エリテマトーデスおよび悪性腎硬化症のうち,慢性糸球体腎炎においては,他の症例と比較し,血液透析治療導入直前の血清中グアニジノ化合物濃度が特に高くなっていることが認められた。今回開発した装置により,血清中グアニジノ化合物濃度は迅速かつ高感度に測定され,慢性腎不全の病態が適確に把握されることが明らかにされた。血清中グアニジノ化合物濃度は,今後血液透析治療導入時期の決定の確実な指標となるものと期待される。
- 北里大学の論文
- 1985-06-30
著者
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