肺胸膜疾患におけるAdenosine deaminase活性の臨床的有用性の検討(第1報)
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概要
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日常の臨床において胸膜炎の症例に遭遇する機会は極めて多いが結核性胸膜炎の診断は現在でもかなり難しい。近年,免疫不全症候群とAdenosine deaminase (以下ADAと略す) deficiencyとの関連性が小児科領域において注目され,特に細胞性免疫との間に何らかの関係があるのではないかと考えられている。我々はこの点に着目し,胸水中リンパ球優位を示す代表的な疾患として結核性胸膜炎,癌性胸膜炎例での胸水中ADA活性を測定し両者の鑑別になりうるかどうかを検討した。結核性胸膜炎6例でのADA活性は全例0.6u/ml以上を示したが,癌性胸膜炎11例のADA活性は全例0.5u/ml以下と極めて低値を示し両疾患のADA活性に明らかな有意差を認めた。ADA活性の測定は簡単であり,本活性の測定は両疾患の鑑別に極めて有意義であると考えられる。
- 北里大学の論文
- 1979-12-31
著者
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