PGI_2関連物質によるハムスター頬袋の血栓形成の抑制
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
麻酔下のハムスター頬袋の微小循環を顕微鏡下に観察し,内径50〜80μmの細動脈に圧迫と電気剌激(直流矩形波,50μA,パルス幅20msec, 5Hz)を連続的に3箇所与え,時間経過によって自然に解離しない,またPGI_2の影響を受けない血栓を作成した(固着血栓)。組織学的には,内皮細胞は完全に剥離し,内皮下組織に変形,脱顆粒を伴った血小板が凝集,粘着した血小板血栓であった。血栓の形成をTVカメラを介しスクリーン上に投影し,photocellを用いて経時的に記録,定量化した。indomethacin (0.3mg/kg, i. p.)はこの血栓形成を有意に抑制した。この固着血栓上に局所投与したADPは一層巨大な血栓(ADP惹起血栓)を形成するが,時間経過と共に自然に解離し,固着血栓のみ残存した。ADP惹起血栓は,PGI_2の局所投与,安定化PGI_2誘導体(R-59274, 0.1〜1mg/kg)の経口投与,あるいは内因性PGI_2産生促進物質(AZ-1355F, 300mg/kg i. v.)によって用量依存的に抑制された。
- 北里大学の論文
- 1982-12-31
著者
関連論文
- 第117回: 痙攣重積状態で死亡した17歳1女性例
- 被殻出血の内科治療による予後
- (1)血栓形成各段階における抑制薬の効果(第8回代用臓器研究総会抄録)
- 脳血管障害における血液凝固学的研究(中課題III「神経系制御と障害」のまとめ)
- PGI_2関連物質によるハムスター頬袋の血栓形成の抑制
- (1)細静脈の直径による血管透過性亢進の感受性の差(学生論文発表,第4回北里医学会総会抄録)