膵癌の超音波診断
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
膵癌として特徴的な超音波断層像をみつけることを目的として,超音波検査にて明らかな腫瘤像を呈した膵癌29例,転移性膵癌4例,腫瘤形成性膵炎4例,膵嚢胞3例および腫瘤像を描出できなかった膵癌2例について,種瘤のエコーレベル,腫瘤底面エコーの減衰,腫瘤の辺縁,境界像および膵管像,膵周囲血管像を検討した。膵癌例では低いエコーレベルのものが29例中22例と最も多くみられ,底面エコーの減衰は29例中25例86.2%に認められた。そして,これらは腫瘤の大きさや組織型による明らかな差はみられなかった。膵腫瘤の低エコーレベル群をみると,膵癌例22例全例に底面エコーの減衰がみられ,危険率0.01%以下で良性膵疾患群の低エコーレベルのものと有意差があり,底面エコー減衰の有無が低エコーレベル群では良悪性の鑑別点となった。
- 北里大学の論文
- 1982-10-31