人為的低血圧が循環・内分泌に与える影響についての研究 : ニトロプルシッド,ニトログリセリン,トリメタファン,三薬の比較と適応
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概要
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人為的低血圧麻酔においては,単に血圧を下げればよいというものではない。血圧は降下させつつ,重要臓器の血流を保ち,組織の虚血をおこさぬようにしなければならない。また,低血圧をもたらすために投与される薬物が生体に有害な作用をきたしてもならない。乳房切断術においてニトログリセリンは出血量減少に成功しつつ,心係数不変,心仕事量の減少をもたらした。同手術においてトリメタファンでは血圧低下は得られるが,症例によっては著明な心拍出量の減少をみたものもあった。カテコールアミン,レニン,アルドステロンの反応も後者においては著明に抑制されていた。脳動脈瘤クリッピング術においてニトロプルシッド,ニトログリセリンは共に循環・内分泌系への影響において問題なく,血圧の調節も容易であった。しかし前者においてはシアン中毒の可能性を否定しえなかった。
- 1982-06-30
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