本態性高血圧症における循環動態とrenin型分類に関する検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本態性高血圧症を血漿renin値によって分類したさい,高renin群はvasoconstriction-dependentでTPRが増し,低renin群はvolume-dependentでCOの増しをみ,後者は原発性aldosterone症と類似性をもつといわれている。そこで,本態性高血圧症110例にrenin分類を行ない,循環動態の差を調べ,また原発性aldosterone症と対比した。この結果,原発性aldosterone症は確かに高心拍出量型の高血圧症であったが,低renin性本態性高血圧症ではむしろ抵抗亢進型であり,本態性高血圧症ではrenin分類のいかんにかかわらずvasoconstriction-dependentであることをみた。さらに,高renin性では,TPR,E'の高まりが強く,心に対する圧反応化,左心収縮性の低下徴侯が明らかであり,また腎機能障害例でPRAが高まっていた。それゆえ,血漿renin値の高まりが高血圧症の原因であろうと結果であろうと,高renin群では心・脈管合併症が高率に発生しうる点に十分の注意が必要であると思われた。
- 北里大学の論文
- 1982-04-30