結核菌感染マウスに出現したsuppressor cellの性状第2報 : suppresso T cellとsuppressor macrophageによる二重の抑制
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概要
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マウスの尾静脈より生菌免疫用に,日常,使われる量(以下,少量という)のBCG生菌を接種すると,C3H/HeN系では免疫抑制が発現し,その原因がsuppressor T cellの出現にあることが分かった。なお,C57BL/6N系では斯る免疫抑制は発現しなかった。以上が第1報の要旨であり,本報はその後をうけて,suppressor cellの性状を明らかにすることを企てた。その結果,BCGの大量(少量の30〜40倍)を同じく経静脈的に感染させた場合には,前報とは逆に,C57BL/6N系に免疫抑制が起こり,C3H/HeN系は正常の免疫反応が成立した。被感染C57BL/6N系マウスの脾臓細胞中よりsuppressor cellが検出されたが,種々の検査の末,suppressor T cellとsuppressor macrophageの両者が,互に独立して免疫抑制に預かっていることが明らかとなった。なお,両suppressor cellの抑制機構を調べたところ,suppressor T cellの抑制はantigen specificであり,suppressor macrophageのそれはantigen non-specificであることが確かめられた。
- 北里大学の論文
- 1982-02-28
著者
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