交通広告による情報接触度とプロ野球観戦に関する研究 : 特に大阪近鉄バファローズに注目して

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長引く経済不況は日本のプロ野球球団とその親会社にも影響を及ぼしている.大阪近鉄バファローズとその親会社・近畿日本鉄道もまた例外ではない.実際大阪近鉄バファローズの観客動員数は減っており,その赤字補填のためさらに親会社の経営は苦しくなっている.そのため観客動員数を増やすための戦略として,本研究では奈良県のマーケティングエリアとしての可能性に注目し,中でも奈良市をマーケットとしての可能性に注目する.そこで本研究の目的は,大阪近鉄バファローズの交通広告に焦点をあて,その情報接触度が試合観戦へ及ぼす影響を検討することとする.そのため最初に,奈良市在住者を近鉄電車利用度によって, Heavy mover, Light mover, Non moverの3つのセグメントに分ける.そして次に、セグメント間における大阪近鉄バファローズに関する交通広告の情報接触度の違いを把握し、その違いが試合観戦に及ぼす影響を検討する.本研究は,奈良市在住者に対する郵送法による質問紙調査を実施し,交通広告効果の測定法としてDMPモデル(Dentsu Media Planning model)を使用する.このモデルは最も一般的な測定法であり,「媒体到達」「広告到達」「心理変容」「行動」の4つのレベル効果を測定する.結果として, Heavy mover「媒体到達」「広告到達」「心理変容」レベル効果において最も高い広告効果を示し, Light mover, Non moverと比較して有意な差がみられた.そしてHeavy moverは唯一「行動」レベル効果に到達したセグメントであった.また「行動」レベル効果に至ったHeavy moverを考察すると,過去に大阪ドームでの観戦経験がある大阪近鉄ファンである傾向がみられた.結論として,大阪近鉄バファローズに関する交通広告は, Heavy moverのみ効果がみられたが, Light mover, Non moverにおいては全く効果がみられなかった.
2004-03-31

交通広告による情報接触度とプロ野球観戦に関する研究 : 特に大阪近鉄バファローズに注目して

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