昭和初期の長野県南部山村における生活と育児 : 伝統的ソーシャルサポートシステムとその現代的意義
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概要
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昭和初期の長野県下伊那郡大鹿村上蔵地区における生活を,ソーシャルサポートと育児に焦点を当てて明らかにし,現代の育児をする母親とそのソーシャルサポートについて考察した.延べ51.5時間の非構成的インタビューで得られた記録を分析し,地理学的観察と文献資料によって検討した結果,上蔵では畑作,養蚕,炭焼き,水田耕作等,幅広い生業活動が営まれる中で,対等で相互的な近隣関係によって人々の生活が支えられていたこと,そのような生活様式は孤立性の高い山村における生態学的適応として捉えられること,また,育児は母親だけにその責任が帰されることなく,他の家族員や親族,近隣の共同によって成立していたことが明らかになった.社会関係に見られるこれらの特徴は,階層的な同族関係とは異なる対等な相互扶助関係に基づくコミュニティの構築や,育児をする母親の支援を考えるための示唆を与えるものである.
- 2002-03-31
著者
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