渓流水中の硝酸イオン濃度の地域的分布 : 窒素飽和の観点から

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概要

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大気からの窒素化合物の沈着量の増加は、生態系の窒素循環に様々な影響を及ぼすとして、その動向が注目されている。特に森林土壌の窒素飽和現象は、近年世界各地でその兆候が報告されるに至り、その影響が懸念されている。富山県の呉羽丘陵の渓流水はいずれも高濃度の硝酸イオンを含み、窒素飽和現象によると考えられている。ところが、隣接する射水丘陵では全く硝酸イオンの検出されない渓流水も存在する。これらのことから本研究では、窒素飽和の広がりを検証することを目的として、県内各地の人為的汚染のない渓流約100ヵ所の硝酸イオン濃度を測定し、硝酸イオン濃度分布マップを作成した。また、過去に多くの窒素化合物が沈着したと考えられる千葉県茂原市周辺の渓流10ヵ所についても比較調査を実施した。その結果、窒素飽和の危険性がある渓流が県内で呉羽丘陵以外に3ヵ所、千葉県内では1ヶ所見つかったが、呉羽丘陵ほどの広範囲な広がりは確認できなかった。
富山県立大学の論文
2004-03-31

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