Linuxを用いた高可用キャリアシステムにおけるタスク優先実行保証に関する一考察

概要

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近年、キャリアシステムのような高信頼システムにおいてもLinuxの適用を推進する動きがある。SIPサーバのような呼処理システムにおいて高信頼性を実現するためには、いかなる状況下であってもシステム制御タスクなどの優先タスクが規定の時間内に起動し、他のタスクに阻害されずに連続して実行可能でなければならない。既存交換システムにおいては、リアルタイムOSであるCTRONの採用によって上記のようなタスク優先実行制御の確実性を保証してきた。一方、一般的なLinuxは対話型処理を重視したタスクスケジューラを搭載しており、上記のような優先実行保証がどの程度実現できるかについては明確化されていない。本稿ではLinuxにおけるタスク優先実行保証の実現方式を示す。そして、タスク優先度が起床時間、及び連続実行時間に与える影響を調査し、実験によってどの程度の時間を保証可能であるかを確認した結果を示す。そして、Linuxにおけるタスク優先実行保証実現のための設計指針を示す。
社団法人電子情報通信学会の論文
2006-02-23