部門間の情報伝達と情報収集
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概要
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複数エージェント間の情報伝達と情報収集について, 逆選択における完備契約モデルを用いて分析する。通常, 逆選択の問題が起きている状況では, エージェントは契約の提示時点でプリンシパルの保有していない情報を持っている。だが現実ではエージェントは調査活動をした結果, 情報を保有するのが一般的である。本稿では, このような状況のもと, あるエージェントに調査させた情報を他のエージェントに伝達させることによってエージェント間で情報の共有化を図ることが契約スキームにどのような影響を与えるのかを明らかにした。情報伝達はそれ自体費用のかかる行為である。したがって伝達に大きな費用がかかる場合は伝達をさせない方が望ましい。しかしながら調査費用が大きい場合は, 情報伝達させることが逆にエージェントに調査の誘因を引き出すこととなり伝達させることが望ましくなる。この分析は, 組織内における利害対立のある部門間の情報共有化の問題に当てはめることが出来る。
- 法政大学の論文
- 2004-08-10
著者
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