ダリル・ヤギ先生講演会報告
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概要
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会場には立ち見も出る大盛況の中、首里東高校の津波古教諭がボランティアで通訳をお引き受けくださり、英語でレクチャーが行われた。レジュメに基づき簡潔に日米のスクールカウンセラーの違いを比較した後、米国のスクールカウンセラーの仕事について説明された。さらに、生徒のコミュニケーションスキルを育むため "I" message の活用を促すプログラム、ピア・カウンセリングを進める取り組みなどが紹介された。日米のスクールカウンセラーの違いに最も大きな影響を及ぼしているのは、学校システムの違いである。米国の学校は分業制が進んでおり、教師、スクールカウンセラー、スクールサイコロジスト、スクールセラピスト、スクールポリスと、多様な職種の人が関わっている。スクールカウンセラーは、日本の担任業務・チューターに近い役割のようである。進路指導、広い意味の生活指導などが主な業務で、アセスメントやセラピーは別の専門家が行うことになっているとのことであった。また、生徒と学校には厳密な契約が交わされており、不登校などの問題には、その契約に従って、「○日連続して休んだ場合、スクールカウンセラー (校長、他) が面接する」など、システマティックな対応がなされる。質疑応答の時間も活発なやり取りが続き、時間切れで打ち切らざるを得ない状況であった。参加者にも、ヤギ先生の誠実な人柄と平易な言葉で具体的に説明された生の情報は大きなインパクトを与えた。
- 沖縄国際大学の論文
- 2004-03-31
著者
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