子牛3頭のウイルス学的評価による牛ウイルス性下痢ウイルス持続感染牛を保有する群の証明(ウイルス学)

概要

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牛ウイルス性下痢ウイルス持続感染(PI)牛を保有する群を証明する目的で,20群1,272頭を対象にNose株を用いた血清中和試験およびウイルス分離を実施した.18頭のPI牛が5群に存在した.5'非翻訳領域の塩基配列に基づく系統樹上,これら分離株は遺伝子型1aまたは1bに分類された.各牛群から抽出した6〜12ヶ月齢のBVDVワクチン未接種牛3頭のうち,64倍以上の血清中和抗体価を示す牛が2頭以上含まれる確率(P_<SN>,PI牛が1頭以上含まれる確率(P_<VI>)および両条件のどちらかが満たされる確率(P_<Total>)を算出した.PI牛が検出された5群のP_<Total>は1.000であった.抽出対象月齢に多数のPI牛を含む3群のP_<SN>は0.500以下と低く,P_<VI>は0.886以上と高かった.少数のPI牛を含む他2群のP_<SN>は1.000であり,P_<VI>は0.375以下と低かった.PI牛が存在しない15群中13群のP_<Total>は0.000,他2群のそれらは0.714または0.774であった.以上より,各牛群から抽出された6〜12ヶ月齢のワクチン未接種子牛3頭の血清中和試験およびウイルス分離により,PI牛を保有する群を高い精度で推測し得ると考えられた.
社団法人日本獣医学会の論文