ラット椎骨動脈経由の一酸化窒素合成酵素(NOS)および血管作用性腸管ペプチド(VIP)陽性神経による独自の発達様相(解剖学)
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概要
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White Wistar系ラットの椎骨および脳底動脈(VA、BA)における一酸化窒素合成酵素(NOS)および血管作用性腸管ペプチド(VIP)に対して免疫活性を示す神経(以下, NOSおよびVIP神経と略す)の発達様相について, 2重染色を用いて調べた.NOSおよびVIP神経は出生10日には, 前循環系(AC)からBA上部へ活発に下行進展し, 出生20日になると, BA全長の2/3付近まで分布域を広げた.これらのNOSおよびVIP神経の大半はNOS^+/VIP^+であった.NOS神経は出生10日のBA下部およびVAには確認できず, 出生20日に到ってもBA下部およびVA上部では多くの場合, VA下部ではほとんどの供試標本において証明できなかった.これに対して, 出生5日のBA下部およびVAには, 少量のVIP^+/NOS^-神経が既に限局分布し, 出生20日になると, これら上行性神経は多くの場合, AC経由の下行性NOSおよびVIP神経とBA中部の下方付近で会合した.出生30日のVA最下部には, NOS^+/VIP^+神経束が初めて出現し, 出生80日になると, 本神経束は高頻度に観察され, BA下部およびVAへの2種神経の供給量も有意的に増加していった.このように, 椎骨動脈経由のNOSおよびVIP神経は免疫染色で明瞭に区別し得る独自の発達様相を示し, 前者は後者よりも, また, AC系経由のNOSおよびVIP神経よりも明らかに遅れて出現する.
- 2006-02-25
著者
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山内 仁
九州産業大学工学部工業化学専攻
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安藤 光一
九州産業大学工学部物質生命化学科
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安藤 光一
九産大・国際文化・生物
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安藤 光一
九州産業大学教養部
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安藤 光一
九州産業大学国際文化学部生物学教室
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安藤 光一
福大・医・解剖
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山内 仁
九州産業大工学部物質生命化学科生物学教室
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草場 治雄
室見動物病院
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Ando Koichi
Faculty Of Engineering Kyushu Sangyo University
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吉田 壮太
九州産業大工学部物質生命化学科生物学教室
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久保 真二
九州産業大工学部物質生命化学科生物学教室
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Ando Koichi
Biological Laboratory Department Of Regional Culture Faculty Of International Studies Of Culture Kyu
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吉田 壮太
九州産業大学工学部工業化学専攻
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