時間的説明を含む発話における接続表現 : 「あとで」を中心に
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
岐阜大学留学生センター日本語研修コースで研修期間中と修了後に実施したOPIの発話データをもとに,初級から中級の日本語学習者(以下学習者)の時間的説明を含む発話における接続表現の使用状況を調査した。本稿は,その結果を今後の初級,中級学習者への指導に活用することを目的とする。調査の結果,(1)「〜て」「〜とき」「あとで」を多用,(2)「〜て」はほとんどが正用,(3)「〜てから」「それから」の使用頻度は非常に低い,(4)「あとで」は出現したほとんどが誤用,(5)「〜まえに」には誤用が見られない,ということが分かった。学習者が「〜てから」「それから」よりも「あとで」を用いたのは,語そのものに意味を持つ「あとで」のほうが概念的に理解しやすいためだと思われる。また,「〜まえに」では誤用が見られず「あとで」に誤用が多く見られたのは,学習者が語彙的手段に頼り過ぎた談話展開をしたためだと考えられる。
- 岐阜大学の論文
著者
関連論文
- 職場におけるコミュニケーション意識を特徴づける要因 : 外国人,日本人に対するアンケート調査をもとに
- 日本語母語話者の辞書形、タ形の使用
- 日本語母語話者の否定形の使用
- 理工学研究科在籍日本人学生の留学生に対する意識 : 全学アンケート調査をもとに
- 職場で使われる日本語 : テ形、特に「〜ている」に注目して
- 時間的説明を含む発話における接続表現 : 「あとで」を中心に