事件報道による社会的概念の構築 : 雪印食品事件を事例として
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概要
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雪印食品が起こした「牛肉偽装」事件の報道の過程で, 新たに「産地偽装」という概念が構築された。本稿では, 新聞記事の分析を通じて以下のことを明らかにした。雪印食品の牛肉偽装事件は, それ以前から発生していたBSE問題という極めて大きな関心事の流れの上で, 1万5000人の被害者を出した大規模食中毒を起こした雪印乳業グループの企業が起こし, 最初に発覚した事件という特異性を持っていた。同時に, 食品の産地表示に関する社会的な疑念はそれ以前から存在し, 食への不安の一端を形成していた。以前から存在していた潜在的な産地不正表示問題を底流として, 雪印食品の特異性が引き金を引くことで, 「産地偽装」という問題が短時間に構築された。大きな特異性が短時間の社会的構築の可能性を高めることが明らかとなった。
- 2005-01-20
著者
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