ロシア語の音の世界(1)(言語編)
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概要
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音を表す語というものは勿論どの言語にもあり、外界の現象と直接に結びついているのだから、一見各言語同じような意味構造をもつと思われがちだが、如何せん、音というものは知覚できない現象であるが故に、どのように表現し分けるかは聞く者の主観、心理状態に非常に左右されるのである。各言語による表現のし分け方の差というものは、その言語の担い手である民族の文化的・歴史的な背景というものを色濃く反映している。当論文では、ロシア語の音警語を意味場として捉え、1)その意味場全体の構造、2)意味場内でのparadigmaticな分類による小意味場の構成、3)各小意味場ごとに、それを構成する意義素(特に動詞を中心に)間の構造的関係と意義素そのものの意味構造の分析、4)以上の作業をふまえて各小意味場ごとの(paradigmatic、syntaematic両面からみた)日本語とロシア語の対照分析を試みる。教授法的見地からみても使用頻度の高いといわれる音響語の、異言語としてのロシア語と母語としての日本語の場合の2言語の意味構造の差を以上のような作業によって対照させることで、学習過程でこれらの語の理解、習得をより的確に行なわせるのに、また、日・露両言語の背景に存在する異文化理解をすすめるために役立つ資料として提示するものである。
- 1991-07-31
著者
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