『聊斎志異・田七郎』を読んで
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
『聊斎志異』は、明・清時代の六大小説の一つで、作品の中の物語は、老若男女を問わず知らない人はいないと言われている。そして、時代を超えて、今も尚人々の愛読書となっている。作者蒲松齢が生涯をかけて完成したもので、精魂込めて書き上げた最高の作と言える。作品は約五百の短編から成り、怪奇な物語を通して、自分が世に相入れられなかった「孤憤」を訴えると同時に、社会の腐敗や差別を厳しく批判している。主人公の多くは狐・魔物・仙人・妖怪などであるが、実社会に存在する人物や事柄をも取り上げ、幻想的な物語の展開を通して、虐げられた人々の社会の悪事に対する抵抗を賞賛している。その代表作とも言えるのが「田七郎」である。田七郎という人物は貧しい猟師であるが、質実剛健な性格で、金銭に対しては潔癖無欲である。交友においては恩義を重んじ、いざという時には命をも惜しまない義侠の士である。作者は作品の中でこのような人物を理想像として描きあげている。拙文は、この作品に登場する人物のうち、田七郎・武承休・田七郎の母親、この三人に対し論評を試みた。諸先生方のご教示を頂ければ幸いである。
- 2001-03-30
著者
関連論文
- 〓注《杜十娘怒〓百宝箱》(文学編)
- 『聊斎志異・田七郎』を読んで
- 萬国仇家恨于〓奇的〓情悲〓中 : 〓《公〓九娘》(文学編)
- 《三言》《二拍》里的AABB重畳式(言語編)
- 詳注 「杜十娘怒沈百宝箱」
- 《水〓〓》《金瓶梅》和《西游〓》里的AABB重〓式(言語編)
- 漫談『聊齊誌異』的語言藝術
- 淺談清初刊行的短篇通俗小説集『雲仙笑』