ミシェル・レリス著『Fourbis』(『ゲームの規則』第二巻) : 芸術創造によるコミュニケーションの実践として
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概要
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レリスは1930年代後半における「聖なるもの」に関する考察を通じて「芸術創造によるコミュニケーション」の理論に到達し、自伝四部作『ゲームの規則』においてそれを実践した。本論はその第二巻『Fourbis』を取り上げ、「芸術創造によるコミュニケーション」の実践として捉えられた場合の内容と形式の関係を明らかにすることを目的とする。自分自身について主観的に語ることで客観性に到達するとレリスは考えるが、その自伝的内容に芸術作品としてのいかなる形式を与えるかが問題であり、この形式的側面抜きでは主観から客観への移行は不可能であると述べている。『Fourbis』は三つの章から成り、テーマ別に構成されているため、三つの異なったテーマそれぞれに対応した語りの形式を分析し、内容と形式の緊密な関係を明らかにする。
- 2000-09-29
著者
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