韓国における住宅庭の構成と住民意識について : 韓国大邸市を事例として

概要

論文の詳細を見る
居住地の緑の評価における庭の重要性は日本及び韓国において既に報告されている。ここでは,韓国における住宅緑化に関する基礎資料を得るために大印市を事例として取り上げ,住宅敷地構成,住民の庭に対する意識をアンケート調査を用いて行い,以下のような結果を得た。1)住宅敷地内に樹木を存在させる,ためには敷地面積が最低151m2必要で,201m2以上が望ましく,非建築面積81m2以上が必要であることが明らかになった。2)必要とする庭の面積は所有している庭面積によって異なっているが,最低33m2で,66m2以上が望ましいと考えられる。3)庭の満足度,マダンを必要とする理由,樹木を必要とする理由,希望する庭面積など庭と関連した分析結果では,学歴,住宅所有関係,敷地面積などが強く影響していた。4)大邸市における住宅敷地は高い建ぺい率の影響で樹木量が少ないと考えられる。5)大邸市でマダンを必要とする理由と札幌市で庭を必要とする理由に大きな違いはないが,樹木の公的役割に対する意識はかなり異なっている。6)今後の緑化計画には住宅形態,塀の構成,住民の意識などを反映する必要があると考えられる。
北海道大学の論文
1990-03-30