京阪神都市地域周辺の自然緑地における休養利用の研究 : 自然公開の利用に関する研究(3)

概要

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本研究は筆者が昨年文部省科学研究費を受け大阪府の協力の下に実施した「北摂自然公園予定地域に関する利用実態調査」の結果を分析し、更に従来からの自然公園の研究例と比較したものであつて、その成果は後者の比較研究において次の通りである。筆者は緑他計画の科学的機能的側面を休養利用者の行動分析を通して研究するため、造園雑誌25巻以降に発表を重ねている休養緑地の利用者誘致率に関する函数を対数図表に図化して実験式を次の様に求めた。log P =-a log t・m+b a,bは定数この実験式は変形により先に発表した理論式 P=φ_1(x)・φ_2(y)/τ(t.m)と次の様に比較される。P=10^b・(t・m)a-1/t・mこの関係から利用者の休養需要に関する函数 φ_1(x)と休養地の誘致性に関する函数φ_2(y)について次の諸傾向が認められた。φ_1(x)は利用者の牧人・余暇・生活環境等を変数とする函数であるが、同一体長緑地が有する都市・非都市地域別の誘致性の差を実験式において求めればaは非都市地域が高く、即ち距離の増大に伴なう利用者の急減が見られ、bは都市地域が高く、休養緑地の利用に高い可能性をもつことが知られる。この都市・非都市地域別の差が両者の住民の持つ牧人・余暇等の差に原因することは、収入階層別に見られる休養費の較差等から推しても考え得る所である。φ_2(y)は休養緑地の景観・利用施設等を変数とする函数でその実態把握は困難であるが、同一地域の各種休養緑地利用率と実験式の関連によつて、aは全国的に有名な休養地において数値が1に接近する傾向があり。bは景観・環境の優れ、開発の進行した休養地程数値の高いことが知られる。
社団法人日本造園学会の論文
1964-06-30

京阪神都市地域周辺の自然緑地における休養利用の研究 : 自然公開の利用に関する研究(3)

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