多種医用画像情報の有効利用を目的とした画像編集システムの開発
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概要
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近年の画像診断装置の進歩により出力される画像は著しい速度で増加している。このため従来のように画像をフィルムに出力して利用することは保管業務や場所の問題のみならず, 必要な画像の抽出の面でも困難となっている。そのため, Picture Archiving and Communication System (PACS) の導入によるデジタル画像化とそのモニター診断への移行が提唱され, 進められつつある。しかし現行のPACSは必要な画像を選択し抽出するのに時間が掛かることや, 保管・伝送能力にも限界がある。これらの問題を解決する手だてとして, 種々の画像検査から出力される画像の中から必要なものを編集, 選択して管理すれば画像情報を効率的に利用できる。今回我々はこのことが可能な画像編集システム (Image Editing System : IES) を開発した。IESにより濃度階調の異なる各種の検査画像を同時に一画面上に表示することが可能となり, 作成された画面はモニター表示, フィルムヘの出力が可能である。IESにより必要な画像のみを参照することが可能となり, 大量の画像情報を効率的に利用することができる。インフォームドコンセントを得るための説明, 総合的な画像の経過観察など臨床の現場はもちろんのこと医学教育の面でも有用である。また, 一患者一ファイルの形式で画像を管理することにより, 将来の電子カルテの導入にも対応できる。
- 神戸大学の論文
- 2002-03-29
著者
-
佐古 正雄
神戸大学大学院医学系研究科展開科学社会情報医学講座医療情報学
-
宮本 正喜
神戸大学大学院医学系研究科展開科学社会情報医学講座医療情報学
-
鷲尾 哲郎
神戸大学大学院医学系研究科展開科学社会情報医学講座医療情報学
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