マウス移植片対宿主病モデルを用いた移植片対腫瘍効果と移植片対白血病効果の比較検討
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概要
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同種骨髄移植後のgrraft-versus-leukemia effect (GVL)と同様にgraft-versus-tumor effect (GVT)が認められるかどうかをマウスgraft-versus-hostdisease (GVHD)モデルを用い検討した。白血病のcell lineでは4種類全てにGVLを認めたのに対し,固形腫瘍のcell lineでは3種類のうちの1つにGVTを認めたのみであった。すなわち,GVLとGVTは同等ではないと考えられた。次に,我々はかねてより,いくつかの固形腫瘍においてimmunosuppressantとして知られる,transforming growth factor-beta (TGF-β)が高濃度に分泌されることを知り得ており,その作用をnaive cell lineとTGF-β antisenseをtransfectしたcell lineでのGVTの発現を比較することにより検討した。その結果,naive cell lineでは明らかでなかったGVTをTGF-β antisenseをtransfectすることにより認めた。すなわち,腫瘍のTGF-βの産生を抑制することによりGVTが誘導されたことから,TGF-βが同種免疫における重要なimmunomudulatorである可能性が示唆された。
- 千葉大学の論文
- 1999-06-01
著者
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