門脈圧亢進症における胃静脈瘤X線分類の臨床的意義
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
門脈圧亢進症の病態生理を側副血行路の一部である胃静脈瘤から検討する目的で,教室で経験した胃静脈瘤症例をX線的に分類し,これと出血・腹水・脾重量・門脈圧などとの関連を検索し,特に肝硬変と特発性門脈圧亢進症に分けて病態を検討した。門脈圧亢進症221例中,胃静脈瘤は164例に認められ,非常に高頻度に胃静脈瘤が存在した。胃静脈瘤を胃X線的に次の2群4型に分類した。すなわちI群は胃静脈瘤が拡張蛇行しているものである。これを近位型(IA型),遠位型(IB型)に分けた。II群は胃静脈瘤が結節数珠状を呈するものである。これを近位型(IIA型),遠位型(IIB型)に分けた。IB型,IIA型,およびIIB型で75%以上の出血率を認めた。経腹的食道粘膜離断術後の胃静脈瘤は著明な消退を示した。胃静脈瘤X線分類は門脈圧亢遂症の病態生理の解明,出血の予測,手術適応,術後推移の観察などに有用な指標であるとの知見を得た。
- 千葉大学の論文
- 1998-06-01
著者
関連論文
- 136. 門脈圧亢進症における術中管理の工夫(第10回日本消化器外科学会総会)
- 17. 最近経験せるベーチェット症候群の一例(第505回千葉医学会例会 整形外科例会)
- 門脈圧亢進症における胃静脈瘤X線分類の臨床的意義
- 30.嘔吐を主症状とした空腸悪性リンパ腫の1例(第646回千葉医学会例会・第17回佐藤外科例会)
- 22.門脈圧亢進症における胃静脈瘤分類とその臨床的意義(第607回千葉医学会例会・第15回佐藤外科例会)
- 20.門脈圧亢進症における胃静脈瘤の研究(2)(第592回千葉医学会例会・第14回佐藤外科例会)
- 15.門脈圧亢進症における胃静脈瘤の研究(第577回千葉医学会例会・第13回佐藤外科例会)
- 4.Cruveilhier-Baumgarten症候群の1例(第562回千葉医学会例会・第12回佐藤外科例会)
- 40.胃平滑筋肉腫の一例(第538回千葉医学会例会・第10回佐藤外科例会)
- 25. 腰椎疾患に対する前方法の手術適応について(第492回千葉医学会整形外科例会)
- I-D-7. 待期手術としての経腹的食道粘膜離断術の手術成績(第29回食道疾患研究会)
- 食道静脈瘤の病態生理 : とくに食道内圧・pH 曲線について
- 16. 部位別迷切の食道胃機能におよぼす影響(第7回迷切研究会)
- 食道静脈瘤に対する経腹的食道粘膜離断術とその適応 (第11回日消外総会シンポII 食道静脈瘤の直達手術とその適応)
- 152 上部消化管出血 : 特に食道静脉瘤破裂に対する処置(第12回日本消化器外科学会総会)
- 主題1. 教室における食道裂孔ヘルニアの手術適応と術式(第23回食道疾患研究会)
- 14 食道癌患者の栄養評価と術前管理(第11回日本消化器外科学会総会)
- 235 食道静脈瘤における接合部括約機構温存手術々式とその機能的予後(第16回日本消化器外科学会総会)
- 50. 再発死亡例からみた今後の治療対策(第21回食道疾患研究会)
- 14. 迷切の肝血流におよぼす影響(第9回迷切研究会)
- 321 食道静脈瘤に対する食道粘膜離断術後の諸検査値の推移(第15回日本消化器外科学会総会)
- 一般演題 30. 十二指腸潰瘍に対する全幹迷切および選胃迷切例の遠隔成績(第8回迷切研究会)
- 188 胃・十二指腸潰瘍大出血例の治療(第14回日本消化器外科学会総会)
- CI-2 食道アカラシアに対する胃弁移植術(第13回日本消化器外科学会総会)
- I-3 都立墨東病院における腹部外傷の検討(第6回日本消化器外科学会総会)
- ICG(Indocyanine Green)負荷試験の門脈外科領域における意義